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離婚できる?離婚できない? 3
前回の続きです。

民法770条1項1号から4号にあたる理由(前回の記事参照)が無い場合、
夫婦ABは裁判上離婚することを認められないのでしょうか。

必ずしもそうではありません。
お読み頂いてお分かりのとおり、
民法770条1項1号から4号にあたる事情が存在しなくとも、
5号には「その他婚姻を継続し難い重大な事実があるとき」という規定があり、
裁判所が「婚姻を継続し難い重大な事実がある」と判断すれば、
裁判上の離婚が認められます。

では、どのような事情があれば、
「婚姻を継続し難い重大な事実がある」と判断されるのでしょうか。

これまでの裁判例では、
短気、粗暴な性格、酒乱等による暴行や執拗に繰り返される暴行があった場合、
5号の事由があると判断されるようです。
また、極端な勤労意欲の欠如や浪費、家族との関係悪化、不貞行為に至らない異性との交際なども、
5号の事由があると判断される傾向があります。

しかし、例えば、単に性格が合わない、とか愛情を失った、とかいう理由だけでは、
裁判上の離婚は困難で、他の事情の存在も併せて主張する必要があります。

モラハラに関してはどうでしょうか。
モラルハラスメントという言葉で表される状況は比較的新しい概念で、
まだ一般に定着しているとは言い難いと思います。
従って、
単に「モラハラがありました」というだけでは5号事由と認定されることが困難で、
モラハラと主張したい事情を具体的に丁寧に説明する必要があるでしょう。
実際に、モラハラという言葉は使わず、しかし、
今ならモラハラと表現してもよいような事情と他の事情を併せて主張し、
裁判上の離婚が認められている例もあります。

以上のことから、前々回の記事で挙げた、
果たしてモラハラの1点のみを理由として離婚できるか、
という問いへの答えとしては、
それだけを理由として裁判離婚することはかなり困難である、
ということになりそうです。

次回は、弁護士への相談のタイミングについて書きたいと思います。


 
author:純法律事務所, category:-, 11:06
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